2014年6月2日月曜日

水はどう動く、どう動きたい(水の本質的な動き)

フロー・フォーム

wasser1 (画像提供:村上智さん)

1987年頃にアントロポゾフィーの総本山であるドルナッハを訪れた際に、フロー・フォームというのを観ました。つぶれたハート型のような水盤を順次水が降りてくる仕掛けです。そこでは水がレムニスカート(8の字型)を動いていました。その時の説明では、それが水の浄化に役立つとのことでした。当時の私の感想は、「激しく眉唾」で、「アントロポゾーフはレムニスカートが好きだから、根拠もなく、無邪気に浄化に役立つなどと考えたのだろう」、くらいに思っていました。

水はどう流れるか

水は地形に沿って流れる、これは言うまでもないでしょう。

flow

水は周囲の硬い物体の影響を受け、形も動きもそれに沿ったものになります。たとえば、山間を流れるせせらぎは周囲の岩の形で流れの方向や様子が決まります。石の配置を変えれば水の流れも変わります。

水はどう流れたいか

水には意志はないですから、「流れたい」という擬人化は、ちょっと大げさですが、開けた土地で流れ方に可能性が与えられますと、特定の現象を示します。

そんな現象を1991年、ヨーロッパに向う飛行機でシベリア上空から見ることができました。川の蛇行の様子が美しく見えたのです。その写真がどうしても撮りたかったのですが、その時はカメラも持っていませんでした。その後も、シベリア上空を飛ぶ機会は多くはありませんし、広大なシベリアのどの辺だったのかも定かに覚えていませんでしたから、よっぽどのことがない限りその写真は手に入らないだろうと諦めていました。

ところが、ネット時代になって状況が一変しました。Google Earthでは地球上のさまざまな地点の航空写真が見られますので、シベリア上空をネットで飛んでみました。すると、私がかつて見た地点かはわかりませんが、大河が蛇行する様子が綺麗に見られたのです。

river

このように、平地に出てきますと川の状況が変わります。初めのうち、川は直線的に流れます。しかし、時を経るにつれて蛇行を始めます。そこにやがて三日月湖ができます。上の画像でも、所々に三日月湖が見られます。

平地での川の振る舞いを見ますと、「蛇行」がキーワードと言えます。

線描による実験

ここで簡単な実験をしてみましょう。

  • 空中に指で縦の線を引いてみてください。
  • 次に、それを左右に波打つ線にしてみてください。

flow_001

 

  • その波をさらに深く、左右にえぐるように描いてみてください。 すると、これは川の蛇行のような線になるでしょう。

 flow_003

  • ここで左右のえぐりはそのままに、下に流れる速度をどんどんゆっくりにしてみてください。 ここまで来ると、現実の川ではショートカットが生じ、取り残された部分が、三日月湖になります。
  • そして、最後には下向きの動きを完全に止め、左右にえぐる動きだけにしてみてください。このとき、指先はどのような動きをしているでしょうか。

flow_004

間違いなくレムニスカートです。ここでは「下向きの流れ」を取り除いて考えています。この「下向きの流れ」は重さ、つまり地のエレメントの働きで生じますから、それを取り除くということは純粋に水のエレメントに近づいていることになります。そして、その動きがレムニスカートなのです。


 つまり、川が蛇行するという現象は、水が自由に動けるなら水はレムニスカートを動く、という方向を示していますし、さらに言えば、水の持つ本質的な動きがレムニスカートだと言えるのです。

youtubeのFlow Form の動画を張っておきます。

 このことに気づいたとき、私はフロー・フォームのことを思い出しました。フロー・フォームでは、水に水本来が持つ動きをさせていることになるのです。物質的な意味での浄化が行われるかはわかりませんが、水にとっては素晴らしい保養にはなるはずです。また、本来の姿とはその対象が見せる最も美しい姿でもあります。

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