2014年11月24日月曜日

第14講解説(一般人間学)

第14講の主要テーマ


  • '一部にすべてが見られる
  • 教師の心構え

人間の各部と身体全体との関係

頭部には身体のすべてが肉体的な形で存在する。

頭部には、頭部的なもの(神経、感覚系)、胸部的・呼吸器系的なもの(鼻)、腹部的・消化器系的なもの(口腔)、四肢的・運動系的なもの(顎)が肉たい的な形で存在している。

四肢系は頭部と対称

実際の手足(四肢系)は肉体的に見える。しかし、四肢における腹部、胸部、頭部は見えないくらい巨大である。つまり、人間の手足とは宇宙的な巨大身体の四肢部だけが可視になり、人間の胴体に噛みついたかたちになっている。そして、この構造は、「霊的なものが肉体的なものを喰う」という第13講のモチーフと整合性がある。

胸部における頭部と四肢部

頭部には閉じる傾向があり、四肢には開いていく傾向がある。それは胸部の十二対の肋骨に現れている。

変声と性的成熟

胸腹部に属する偽頭部は咽頭であり、偽四肢は生殖器である。咽頭には何らかのフォルムを生み出そうとする衝動があるが、それが物の形としては実現されず、言葉として表れる。つまり、胸胴部の偽頭部である咽頭からは、魂的な頭部である言語が作り出される。もちろん、これは通常の解剖学で説明できない。しかし、この現象は教育にとって意味がある。つまり、肉体的に頭部が完成した後には、魂的な頭部を育てる必要がある。言語を文法的にも学べるようにしてやる必要がある。固める方向で、魂的な骨組みを育てる。
また、胴部の偽四肢が育つ思春期には教育の課題も変わる。四肢的なものには、共感的に広がっていく本性がある。したがって、教材も定義的、固定的になってはならず、絶えず生き生きと動きのあるものでなくてはならない。つまり、思春期の子どもの教育にはファンタジー;が重要で、杓子定規は最悪である。
ちなみに、この関連から考えれば、性的成熟期と変声期が重なる現象も理解できる。つまり、この時期には、胴部において、偽四肢(生殖器)と偽頭部(咽頭)が最終的に成熟してくる。

教師の心構え

この「ファンタジー」をキーワードに、シュタイナーはこの連続講演を締めくくっていく。

  • 教師は常に生き生きとしたファンタジーを持ち続けなくてはいけない
  • 常に真理へ向かおうとする勇気(「間違ったらいけない」と思っていたのでは、ファンタジーは持てない)
  • 真理に対し誠実であり、真理に対する責任を持つ

これらの言葉と共に、シュタイナーはこれから教壇に立とうとする人々を力づけた。

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