2015年6月9日火曜日

『農業講座』第2講、コーベルヴィッツ、1924年6月10日

目次

% 第02講

■農場は一つの個体である

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02-01
初めの数講は、具体的実践の鍵を見つけるべく、農業の繁栄に関する認識から必要なことを抜粋し、まとめていきます。 現実化のためにすぐに適用されるべきこと、そのために意味のあることを中心に述べます。 農業的に生産されるものが、どのように生じ、世界のあらゆる領域でどのような命のつながりを持つかを見ることに、初めの数講は焦点を当てていきます。 さて、一つの農場とは、言葉の最上の意味において、一種の個体、それ自体で完結している個体です。 どの農場も、本来ならこの完結した個体という状態に近づかなくてはならないはずです。……完全には無理であっても、本来そこに近づけるとよいのです……。 つまり、農作に必要なものすべてがその農場内で入手できることが望ましいのです。 そしてそこには、当然ながら相応数の家畜が含まれます。 根本的には、理想的に構築された農場という観点からすれば、外部から農場内にもたらされる肥料などは、病んだ農場を癒やす薬剤とみなされるものです。
02-02
健康な農場とは、自らが必要とするものを自給できるはずです。 これが自然な姿であることの理由を、これから見ていきます。 事柄を本質や現実に沿って見ずに、外面的、物質的に見ていますと、当然のように次の問いが生まれます。 「隣の農場の牛糞も、自家の牛糞も同じではないのか」。 よく言われるように、物事は厳格には遂行しきれませんが、事実に即して事を整理するなら、農場は自己完結していなくてはならないことを概念的にでも知っておく必要があります。

■地表は横隔膜に相当する

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02-03
この見解が正当であることは、農業の基盤となる大地を観察することによって、そしてまた地球の外から働きかけてくるものを考察することによって、みなさんにも明らかになるでしょう。 ここで、地球外からの地球への作用は、ほとんどの場合まったく抽象的にしか語られません。 もちろん太陽の光や熱、さらにはこれらと結びついた気象現象などすべてが、作物が生育する大地を作り上げるにあたって、何かしらつながっていることは知られています。 しかしより厳密な状況については、現代的な観方では実際的な理解は得られません。 なぜなら現実や事実そのものに入り込んでいかないからです。 ……別な観点からもこうした事柄を観察していきますが……、今日はまず、農業の基礎が大地である、という視点から始めたいと思います。
02-04
この大地とは……模式的にこの横線で示しますが……、通常、鉱物的なものと見なされていて、せいぜいのところ腐植土形成や施肥によって幾分生命的なものが持ち込まれるとされます。それによって、大地はそれ自体として単に何らかの命を持ち、植物的なものを内包するだけでなく、アストラル的作用も持つことがわかります。 現代ではこのように考えられることもなく、これに対する賛同はさらに少ないのです。 この見解をさらに進め、大地内の命が、夏と冬とでは非常に微妙な、言わば薄まったレベルで異なっていることに目を向けますと、今日ではまったく考慮されていないにしろ、農業実践に非常に大きな意味を持つ領域に入っていきます。 土壌を少し観察すれば、土壌は生体における一種の器官であることがわかりますし、その生体とは、自然成長が存在するところならどこにでも見られます。(図)
02-05
実際、大地は人間の横隔膜と比較しうる一つの器官です。 イメージで語りますと……ここでは厳密には述べませんが、当面はこれで十分です……、こう言えるでしょう。「人間では、横隔膜より上には、頭部があり、また呼吸や循環のための器官があリ、下には別の器官がある」と。 さて、この観点から大地を人間の横隔膜と比較しますと、「大地という個体では、頭部は地中にあり、私たちを含めたすべての動物はこの個体の腹内に生きている」と言えるはずです。 地表より上とは、……一言で言うなら……農場という個体の内臓器官にあたります。 農場を歩くとき、私たちは腹の中を歩きまわっていますし、植物は腹の中へと伸びていきます。 農場とは逆立ちした人間であり、まさに逆立ちした個体と見るべきです。 動物に関しては講座が進む中で触れますが、やや事情が違います。 さて、私はなぜ「農場という個体は、逆立ちしている」と言うのでしょうか。
02-06
その理由は次のようなものです。大地のすぐ近くは空気や水蒸気や熱などが取り巻き、私たちはその中で呼吸し、生活し、植物はそこに向って成長し、そこから外的な熱、外的な空気、外的な水を受け取っています。そしてこれは人間下半身の腹部での活動に対応します。 それに対し大地の内部、つまり地表下で起きている事柄のすべては、植物の成長全般に対し、特には幼児期ですが、全生涯にわたる人間頭部での作用に相応しています。 地表の上と下とでは、絶えず活発な相互作用があります。そこでまず、諸作用の分布を見ます。地表より上には、月、水星、金星の直接の影響による作用が見られ、またそれらは太陽の作用を補助し、変化させています。いわゆる(月も含めた)内惑星の作用です。 それに対し、(地球を中心に考え)太陽より遠いいわゆる外惑星は、地表より下に作用し、太陽の地表下への作用を助けています。 ですから、植物の成長との関連で言えば、遠い天体の作用は地表より下に、地球に近い天体の作用は地表より上にあります。

■宇宙からの作用は地中の砂や岩石で反射される

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02-07
宇宙の彼方から植物成長に作用するにしろ、光線が植物に直接作用することはなく、その作用が一旦大地に受け止められ、大地から上方に再放射されることで作用します。 つまり、植物成長に対して有益あるいは有害な下方の大地からの作用は、元々は宇宙的である力が反射しているのです。 地表より上に存在する空気や水へは直接照射が直接に作用しますが、これが大地に蓄えられ、そこから力を発揮します。 それゆえ、大地の成分が植物成長に一番に関係するのです。 これを土台に、考察を動物にまで広げる必要があります。
02-08
土壌の中には、地球進化に重要な意味を持つ宇宙の最遠からのものの影響を受け取る何かが働いています。 これは普通に、砂とか岩石とか言われるものです。 砂や岩石は水を通さず、通常の見方では何の栄養も含んでいませんが、成長発達のためには、考えうる最も重要なものなのです。成長や発達は最遠の宇宙的諸力に左右されるからです。 見てきた通り、主要な働きをするのはケイ素的な砂ですが、それを介した回り道で、ありえないことのように思えるかもしれませんが、大地の生命エーテル、大地の化学作用といったものが地中に取り込まれ、そこから反射して作用するのです。 土壌自体が内的生命をどれくらい持つか、また固有の化学性をどれくらい発揮するかは、砂の部分の性質に左右されます。 植物が土壌中の根において経験するものは、ほとんどが岩石を……今、言っている岩石は地中深くてもかましませんが……経由して植物に伝えられる宇宙的生命性、宇宙的化学性なのです。 植物の成長を研究するためには、まずは植物の成長基盤である地質学的な基礎を明確にしておくべきでしょう。 そして根が重要な意味を持つ植物では、諸関連の中で、基本的にはたとえそれが地中深くにあるにしろ、ケイ素的な土壌を見落とさない方がよいでしょう。
02-09
さて、ありがたいことにケイ素は、ケイ酸などの化合物として地中に47%から48%含まれていますから、必要とされる場ではどこでも十分量のケイ素が得られます。 こうした道筋で、あるものがケイ素を介して根と関連しますが、それは植物を通って上方に導かれうることも重要です。 これは上に流れていかなくてはなりません。 ケイ素によって宇宙から引き寄せられるものと、地表より上で行われるものが絶えず相互作用をしていなくてはなりません。 つまり、腹の中で行われることと、下の頭部が受ける力とに相互作用がなくてはならないのです。 頭部は、宇宙からの力を受けなくてはなりません。 そしてそれは、地表より上のいわば腹内の作用と密接に相互作用していなければなりません。 宇宙の力は地中で捕まえられ、絶えず上方に流されなくてはなりません。 そしてこの上方への流れを可能にするのが、地中での粘土質です。 地中の粘土質とは本来、宇宙的実質作用を下方から上方にもたらす促進媒体なのです。
02-10
実践的な話に移る中で、植物形態の違いに応じて土壌中の粘土質やケイ素をどう構成するかといった指針も与えられます。 しかしまず、そこで何が起きているかを知っていなくてはなりません。 それ以外のこと、つまり粘土の様子についてや、宇宙的なものを受け取れるようにするための加工法といった問題は、もちろん次の段階では非常に重要です。 しかしまず、粘土質が宇宙的なものを上方へ促すものであるという点を知っている必要があります。
02-11
しかし、宇宙的なものの上方への流れだけでは不十分なはずです。その不足分を私は地球的、地上的なものと呼びたいのですし、腹部内でいわば外界の消化系としてあるもの、……夏冬を通して地表より上の空気の中で行われるもの、これは植物の成長にとってはまさに一種の消化ですが、こうしたかたちで消化として起きている事柄もまた、地面の中に引き込まれなくてはなりませんし、それによって実際に相互作用が生じるはずです。 《地》より上に位置する《水》や《風》を介して、諸力の存在、あるいはホメオパシー的に微量な素材の存在の基で何かが作り出されますが、それは地中に存する多量あるいは少量の石灰によって地中に引きこまれます。 地中に含まれる石灰分や、極微量ホメオパティー的に地表の極近くに散在する石灰分は、そのどれもが近接する地球的なものを地中へと導き入れるために存在しています。

■熱や風は地中ではより生き、地上ではより死んでいる

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02-12
学問が今日の単なる言葉の遊びから脱却し、実のある学問となったときに、こうした事柄は今とはまったく違う姿を見せるでしょう。 これらについて、精密な成果を上げることができるようになるでしょう。 するとたとえば、地表より上の熱、つまり太陽、金星、水星、月の領域に属する熱と、地中で効力を持つ熱、つまり木星と土星と火星の影響下にある熱とは、非常に違うこともわかるでしょう。 一つは花や葉のための熱、もう一つは根のための熱と呼ぶことができますが、この二つの熱は根本的に違っています。 その違いは大きく、地上の熱を死んだ熱、地下の熱を生きた熱と呼びうるくらいです。 地下の熱は内的な生命原理、何か命あるものを内に持っていますし、それは特に冬に顕著です。 この地中で作用する熱を人間が体験せざるをえないとしたら、全員が非常に愚かになるでしょう。 賢明であるために、私たちは死んだ熱を体内に導き入れなくてはならないからです。 ところがこの死んだ熱が、地中の石灰質によって、あるいは地中の別な素材によって地中に導き入れられますと、地上の熱から地中の熱への移行において、熱が微かな生命性を帯びます。 今日では、地上の空気と地下の空気の違いがわかっています。 しかし、地上の熱と地中の熱が違っているなどとは考えも及びません。 地中の空気にはより多くの炭酸ガスが、地上の空気にはより多くの酸素が含まれていることは知られています。 しかし、その理由はまったくわかっていません。 その理由は、地中に吸い込まれ取り込まれた空気は、生命の微かな息吹を吹き込まれるからです。 熱も空気と同じです。 地中へ取り込まれると、熱も微かな生命性を受け取るのです。

■《地》が宇宙の結晶化の影響を最も受ける時期

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02-13
水や地的なもの、固体そのものでは事情が異なります。 地中では、それ以外のところにあるときよりもさらに死んでいるのです。 これらは地中では外的生命をいくぶん失い、それによって遙かな宇宙の諸力に浸される能力を得ます。 鉱物的諸物質が最遠の宇宙的諸力に浸されるためには、地表のすぐ上にあるものから解放されなくてはなりません。 地表近くのものから最も解放されやすく、地中に最遠の宇宙的影響が入り込み易いのは、現在の暦で言えば1月15日から2月15日の冬の間だと言えるでしょう。 これは、いずれは厳密な研究で検証されるべき事柄です。 この時期は、地中の鉱物的物質において、結晶力や形成力が最も大きくなります。 それが冬の最中です。 このとき大地の内部は特異な状態で、その鉱物塊が鉱物塊であり続けようとする度合いが最も少なく、彼方の宇宙からの結晶形成力の影響に身をさらしているのです。
02-14
さて、事情は次のようです。 1月の下旬には、地中の鉱物性諸物質における結晶化への憧れが最も強くなります。 そして自然界の事情では、この結晶性への憧れは地中深くなればなるほど強まります。 このとき鉱物類に起きていることは、植物成長には影響を及ぼしません。 この時期、地中の植物は最も自分に向かっていて、鉱物的物質との結びつきが最も弱いのです。 ところがそれ以前と以後の時期には……主に以前の時期ですが……、 鉱物性のものは形態的なもの、結晶的なものに移行し始めますので、この時期には鉱物性のものが植物成長にとって非常に重要になります。 このとき鉱物質は、植物成長にとって特に重要な作用を持つ諸力を放射します。 まとめるとこう言えるでしょう。 「11月から12月にかけての時期に、地表下の非常に特別なものが植物成長に対し効力を発揮する」と。 こうして「どうしたらこれを植物成長に対し有効活用できるのか」という話が期待されるでしょう。 植物成長をコントロールするにあたって、いずれはこうした有効活用の重要性が理解されるからです。
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これについて今ここでコメントしておきます。 この冬の時期にはある作用が上方に向かうはずなのですが、そうした作用がなかなか上方に向かうことができない土壌では、詳細は後で述べますが、適切に希釈した粘土質を加えるといいでしょう。 こうした結晶的な力は単純に雪に見られ、またこれは地中深くに入れば入るほど強くなります。 1月から2月には終わるこの結晶化がまだ終わらないこの時期に、土壌に粘土を加えることによって、とりあえずは地中にあるものを地上にまで引き上げ、植物成長に取り込ませ、利用できるようにするのです。
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正しい認識を欠くと単なる試行錯誤に陥ってしまう領域で、このような仕方で一見するとかけ離れた認識から、根本的な助けとなるヒントが導き出されます。 農業生産の場とは、地中のものと関連しつつ、時間の流れと共に生きる個体であること、そして大地の命が冬には特に強く、夏には特定の仕方で死んでいることを明確に把握していなくてはなりません。

■カオスとしての種子に宇宙が作用する

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02-17
ここで耕作にあたって最も重要なことを問題にします。 ……アントロポゾフィーのサークル内ではしばしば申し上げましたが……この最重要事項とは、宇宙の諸力が地球に働きかけられるために必要な諸条件を知ることです。 これを洞察するために、一旦、種子形成を見ます。 種子からは胚が成長してきますが、その種子とは、通常、非常に複雑な分子構造体と考えられています。 そして、種子形成をその複雑な分子構造から解明することが最重要課題となっています。 「分子には特定の構造があり、単純な分子は構造も単純である。さらに、より複雑な分子もあり、タンパク質の分子構造は非常に複雑である」と言います。 複雑な分子構造を持つとされる種子内のタンパク質に対し、人は驚嘆し、不思議に思うばかりです。 なぜなら次のように考えるからです。
02-18
「種子内のタンパク質分子は非常に複雑であるはずである。 次世代の生体がこの複雑さから生じ、成長するからである。 また、この次世代の生体は非常に複雑であるし、これは種子内の胚に準備されている。 したがってこの種子とは、顕微鏡的、さらには超顕微鏡的な複雑さで構築されているはずである」と。 ある程度までは、ここで言われるとおりです。 タンパク質が地上的に構成されるにあたっては、その分子構造も最高段階にまで複雑化されます。 しかしこの最高度に複雑な構造から、新たな生体が生まれてくること決してないのです。
02-19
種子から生体が生じてくるにしろ、親から受け継いだものだけをもとに種子ができあがり、そこから子どもが生じてくるのではありません。植物も動物も、そうではありません。 これは全く正しくありません。 真実は次のような成り行きです。 この構造体の複雑さが最高度に達しますと、それは崩壊します。 そして、地上的領域において複雑に成りきったものの中に、最後には小さなカオスが生じます。 それは宇宙の塵への崩壊と言えるでしょう。 そして、究極の複雑さに至り種子が宇宙の塵となって崩壊しますと、そこに小さなカオスが生じます。 すると周囲を取りまく全宇宙が、カオスを内に持つ種子に作用し始め、そこに自分を写しだすのです。 このようにして小さなカオスを素に、宇宙のあらゆる方向からの作用によって形成が始まります。


こうして、種子に宇宙の似姿が実現します。 地上的な有機体生成過程は、種子形成において毎回完結し、カオスに到ります。 このカオスに全宇宙が作用し、その度、新たな生体が形成されます。 古い生体が持つのは、種子をある宇宙状態に導く傾向だけなのです。 ある宇宙状態への親和性を持つがゆえに、タンポポからメギが生じることはなく、まさにタンポポを生じさせる方向からの作用を受けるのです。
02-20
個々の植物は、常に何らかの宇宙的星位の写しとして、宇宙から形成されます。 もしこの地上に存する宇宙的諸力に宇宙の作用を発現させようとするなら、地上的なものを可能な限りのカオスに導く必要があります。 宇宙からの作用を受けようとする場合には、地上的なものを可能な限りカオスにまでもたらさなくてはなりません。 植物成長に関して言えば、自然自身がすでにそれを行っています。 また、次々に新しく作られる生体器官も宇宙から形成されますので、次の種子が形成されるまで、宇宙的なものを生体内に保持している必要もあります。

■植物に地上的なものを近づける腐食質

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02-21
何らかの種子を地中に植えますと、宇宙のある特定の方向から見た全コスモスがその種子に写されます。 種子内には星位が作用していて、それによって植物は固有のフォルムを持つのです。 そして、種子が大地に植えられた瞬間に、大地の外側のものが種子に非常に強く作用します。 その瞬間に種子は、宇宙的なものを否定し、拡大し、あらゆる方向に成長しようとする憧れに満たされます。 それは、地面の上で作用するものは、本来こうしたフォルムを固定化したくはないからです。 種子はカオスにまで行き着かせなくてはなりませんが……この《カオスにまで引き込む》に対し、種子の中で植物フォルムを生かしている宇宙的なものに対し、種子から植物が出始めさらに芽が伸びるときには、地上的なものを植物内に持ち込む必要があるのです。 成長のためには、植物を大地(地球)に近づける必要があります。 しかし、これを実現するには次の方法しかありません。 地上にすでに存在している命、つまり完全なるカオスにまでは達していないもの、完全には種子形成に達していないもの、そうではなく植物生体内で種子形成に達する前で終わっているもの、こうした地上にすでに存在する命を植物生命の中に持ち込むのです。 幸運にも、このために特に都合のよい地域があります。 つまり自然の営みにおいて、人間にとっての大きな恵みとなる豊かな腐植土が形成される地域です。 人工的な代替法では、自然な腐植土形成がもたらす大地の豊かさを不十分にしか補えません。
02-22
この腐植士形成の根底にあるのは何でしょうか。 腐植土形成は、植物の生命から生じたものが、自然プロセスに取り込まれることで生じます。 カオスにまで達していないものは、何らかの仕方で宇宙的なものを跳ね返します。 これを植物成長に作用させますと、地上的なものを植物内にしっかりとつなぎ止め、宇宙的なものを種子形成への流れの中だけで作用させることができます。 地上的なものは、種子形成ではなく葉や花の展開などに作用します。 宇宙的なものは、これらの中へは作用を放射するだけです。 これは克明に辿ることができます。

■宇宙的なものと地上的なものの植物における流れ

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02-23
仮に根から成長する植物があるとします。 茎の先端に小さな種子がつきます。 葉が展開し、花を咲かせます。 葉や花では、形態化とも言うべきもの、つまり地上的素材での充填が地上的なものです。 葉や籾が太ったり、諸物質を内に取り込むための基盤は、私たちが植物に与える地上的なもの、カオスにまで達していないものなのです。 それに対し、宇宙的な力は周辺に向かうと葉や花に入り込みますが、種子ではその宇宙的な力が茎を通ってまっすぐ上に向かってやって来ます。 これは直接に観察できます。
02-24
緑の葉(図)をごらんください。


緑の葉では、その形に、厚みに、緑色に地上的なものを担っています。 しかし、もし葉に太陽の宇宙的な力も息づいていなければ、葉は緑ではありえなかったでしょう。 さらに有色の花では、太陽の力だけでなく、そこに火星、木星、土星が補助的に加わっています。 この観点から植物成長を見ますと、バラの赤い色には火星の力が見られます。 ヒマワリ(Sunflower)は太陽の花と呼ばれていますが、これはその姿に由来するもので、色から見ると正しいとは言えません。 色から名付けるなら、木星花と呼ばれるべきです。 なぜなら太陽の力に木星が補助的に加わり、それで花を黄色や白にするからです。 青味がかった色のチコリでは、この青に太陽の作用を補助する土星の作用を感じ取るはずです。 赤い花には火星を見て取る可能性があります。 白や黄色の花には木星、青い花には土星を見る可能性があり、本来の太陽自身の作用は緑葉に見る可能性があります(図参照)。

▲根における宇宙的・地上的要素

02-25
しかし、花において色として現われるものは、根では力として特に強く現われます。 外惑星中に生きるもの、力あるものは、地中でも作用するからです。 ですから、次のように言えるはずです。 「植物を大地からひき抜くと、下には根がある。このとき根の中には宇宙的なものがある。しかし、花はほとんどが地上的で、最も繊細な色彩のニュアンスだけが宇宙的である」と。
02-26
花とは逆に、根に地上的なものが力強く展開すると、それは根におけるフォルムに入り込んでいきます。 植物のフォルムは、地上的領域内で生じうるものによって与えられるからです。 フォルムを広げていくものは、地上的なものです。 そして、根が分岐し広がる場合、上に向かう宇宙的なものが色彩に現われるように、そこでは下に向かう地上的なものが作用しています。 ですから、一体的にまとまった根は宇宙的です。 それに対し、分岐した根では地上的なものが地中にまで作用していますし、これは花の色彩に上に向かう宇宙的なものが作用しているのと同じです。そして、太陽的なものはその中間に位置します。 太陽的要素は、主に緑葉の領域に作用し、花と根の交代関係において、その中間として働きます。 太陽的なものとは、大地の横隔膜そのもので、宇宙的なものは地中に属し、そこから植物の上方に作用します。 これに対し、地上的なものは地表より上に属し、石灰質を助けに植物中に引き下げ入れられます。 石灰質によって地上的なものが根にまで強く引きこまれた植物を観察してみてください。こうした植物では根が分岐してあらゆる方向に伸びています。 たとえば良質の飼料用牧草類……カブやテンサイ類ではなく……イガマメなどです。 ですから、こう言えます。 「植物を理解するには、そのフォルムや花の色から、その植物に宇宙的なものと地上的なものがどれくらい作用しているかを見ればよい」と。
02-27
さて仮に、何らかの手段で、宇宙的なものを植物内に強く留め置いたとしましょう。 すると宇宙的なものが花に向かって勢いよく上ってはいかず、茎的な部分に残り、そこで活動することになります。 こうした状況で、宇宙的なものは植物のどこで活き活きと活動するでしょうか。 ケイ素的なものの中で活動するのです。 スギナをよく観てください。 スギナ類には、まさに宇宙的なものを自らに引きつけ、自らをケイ素で満たす特性があります。 実際、ケイ酸を(灰分中に)90%含みます。 こうしたスギナ類はいわゆる宇宙的なものを非常に多く含んでいますが、それが花にではなく、まさに下部での成長に現われています。 他の例を挙げましょう。
02-28
仮に、ある植物において、茎を通って葉へと上昇しようとするものを、根領域に留めたいとしましょう。 こうしたことは、現代ではさほど問題にされません。 それはさまざまな事情によって植物種がすでに固定化しているからです。 しかし太古の人々は、植物を容易に別の植物に変化させることができました。 ですからその当時は、こうしたことが非常に重要だったのです。 今日でもこれが重要になることがあります。それは、ある特定の植物の望ましい生育条件を見つけてやる場合です。
02-29
ある植物において、宇宙的な力を花や果実に完全には上昇させず、下部に留め、いわば茎や葉の形成を根に引き止めたいとする場合、どこに着目し、何をしたらよいのでしょうか。 この場合、そうした植物を砂地に植えなくてはなりません。 ケイ素質の土地では、宇宙的なものが地中に保持され、ほとんど捕まえられるからです。 ジャガイモは芋なので、地中の芋の中に花形成の力を押しとどめなくてはなりませんし、葉や茎を形成する力を芋自体に保持しなくてはなりません。 ジャガイモの芋は根ではなく押しとどめられた茎です。 ジャガイモは砂地以外では宇宙的な力を留めることができませんので、砂地に植えなくてはなりません。
02-30
以上の事柄から、植物成長を判断するにあたってのABCとは、植物において何が宇宙的で、何が地上的・地球的かという点です。 宇宙的なものをより密にし、それによって宇宙的なものを根や葉に保持させたいとき、土壌の諸性質を利用してそれにふさわしい土壌をどのように作れるでしょうか。 逆に、宇宙的なものを薄め、その薄めたものを花の色や果実の繊細な味として引き上げるためにはどうしたらよいのでしょうか。 アンズやプラムの繊細な味覚は、花における色彩と同様に、果実にまで引き上げられた宇宙的なものなのです。 実際私たちは、リンゴでは木星を食べ、プラムでは土星を食べているのです。 かつての人類はその本能的な原叡智から、当時存在した原始的な植物から果樹を作り出し、それが遺伝によって現在の種々の果実にまで伝わって来ています。 しかしそうしたものがまったくなかったとしたら、現代人は現状の知識を頼りに、古代に現存した少数の植物を用いて多様な果樹を作り出すことなど、ほんのわずかにしかできないでしょう。 果樹の品種も存在せず、遺伝による継承もない状況で、果物を再度作り出さなくてはいけないとしたら、賢き現代人はたいしたこともできないでしょう。 現代人はすべてを試行錯誤で進め、プロセスに合理的に入り込んで行かないからです。 しかし地球上において農業を発展させようとするなら、これこそが復活すべき基本条件なのです。
02-31
私たちの友人のシュテーゲマン氏は「事後の事実確認とは、生産の価値喪失である」と言っていますが、これはまさに正しい認識です。 この価値喪失とは……このコメントを皆さんが不快に受け止めるかはわかりませんが……、魂の育成が退化していることも同様で、この過去数十年と未来数十年にわたる宇宙におけるカリユガ(暗黒時代)と関係しています。 私たちは、自然内における重大変化にも直面しています。 太古から伝えられ、絶えず継承してきたものがあります。 自然環境もそうですし、自然的に伝搬してきた知識、あるいは伝承された治療薬などです。 しかし、そうしたものが意味を失っているのです。 こうした事柄が持つ自然関連全体に入り込むために、私たちは新たな知見を獲得しなくてはなりません。 人類には次の二つの選択肢しかありません。 あらゆる領域において、自然関連全体から、宇宙関連そのものから再び何かを学びとるのか、それとも自然、さらには人間の営みを滅亡させるのかです。 過去においては、自然のつながりに真に入り込む知見が不可欠でした。 それと同様に、今日の私たちもそうした知見を必要としているのです。
02-32
……すでにお話いたしましたが……、現代では必要に迫られて、地中での空気の振る舞いは知られていますが、地中での光の振る舞いは知られていません。 現代では、 「まさに宇宙的な鉱物であるケイ素が光を地中へ受け止め、光を作用させるのに対し、地上的・生命的なものに近い腐植は光を受けいれず、地中で光を作用させず光欠乏的作用をもたらす」ということが知られていません。 しかしこうした事柄は、皆に知られ、また見通されていなくてはならないのです。

■惑星的理解によって動物と農場の関連を知る

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02-33
さて、地上における植物成長はそれだけでは全体にはならず、その地域の動物を含めて考えなくてはなりません。 理由は後で明らかになりますが、農場においては人間の存在は無視できます。 しかし動物にはある特性があり、無視できません。 つまり、ある地域での特定の植物相と動物とが一体となった活動をすることで、最高の、こう表現すべきでしょう、最高の質的宇宙的分析を行っているのです。 ……この正しさはただちに示されると思いますので、もし検証をすれば私は嬉しいのですが……、ある特徴的なことが成り立ちます。 ある農場で牛、馬、その他の動物の数が適正ですと、これらの動物は全体でこの農場が必要とする量、つまりカオスとなったものを補充するのにふさわしい量の糞尿を生産します。 さらには、馬、牛、豚の数が適正ですと、糞尿内の混合比も適正になります。 これは、植物成長から受け取る適切な量を動物が食べ尽くすことと関連しています。 動物たちはその土地での植物生産から適正な量を食べるのです。 こうした理由で、動物は体内プロセスの進行と共に、大地に還されるべき必要量の糞尿を生産するのです。 「何らかの糞尿を外部から持ってくる必要が生じるにしても、それは病んでしまった農場に対する一種の治療薬として扱われるべきである」というのは、本来正しいのです……完全には実行しきれませんが、理念的にはこれが正しいのです……。 農場に居る動物がその農場に糞尿を供給するなら、その農場は健全です。 これには当然、特定の農場に必要な動物の種類と頭数が見極める正しい学問の発展が必要です。
02-34
しかし、動物で働く内的諸力がわかっていれば、そうした学問は自ずと生じます。 前に大地の地上部は腹部、地下部は頭部に相当すると紹介しましたが、これは動物生体の理解にも役立ちます。 動物生体は、生息する自然の全体と関連しながら生きています。


動物生体の形態、体色、前部から後部にかけての構造や成分構成を見ますと、鼻先から心臓部にかけては、土星、木星、火星の作用があり、心臓では太陽の作用、そして心臓より後ろの尾にかけては金星、水星、月の作用があります(下図参照)。 こうした事柄に興味を持つ人が、将来、この観点から動物の形態を観察し、真の認識を育て上げていけたら望ましいでしょう。
02-35
このように形態にそって認識を高めていくことには非常に大きな意義があるからです。 博物館に行って何らかの哺乳類の骨格をご覧になってください。 そのときに次のような意識を持ってみてください。 「頭部形成には主に太陽光が作用している。それは口から流れ込む直接放射の太陽作用である。そして副次的な事柄、たとえばある動物を太陽がどう照らしているか……ライオンと馬とでは太陽による照らされ方が違う……といったことで、頭部や頭部に直接に続く諸器官がどのように形成されているか」を意識するのです。 このように直接の太陽照射は動物の前部に関連し、また頭部形成に関連するのです。
02-36
さて、考えてみてください。 太陽光は月による反射という別な道筋でも地球圏に入って来ます。 つまり、直接の太陽光だけでなく、月に反射された太陽光も関係してきます。 月に反射した太陽光は、動物頭部を照らしてもまったく作用しません。 そこには効果は及びません。 これらのことは特に胎生期の営みについて言えることです。 しかし、月による反射光は動物の後半身に対し最高の効力を発揮します。 動物骨格の後半身部分を、頭部形成との特徴的な関係を見てください。 こうした対極性に対するフォルム感情を育ててください。 つまり、大腿骨の付き方、消化器官の終わり方などを、対極である頭部における形成と対比させ、その様子に対する感情を育ててください。 そうしますと、動物の前半身と後半身に太陽と月の対極が見られるようになるでしょう。 さらに観察しますと、太陽の作用は心臓までで、心臓に近づくにつれ抑えられ、頭部形成や血液形成には火星、木星、土星が作用し、さらに心臓から後方に向けては月の作用を水星、金星が支えていることがわかるでしょう。 そして、頭部を地下に、後半身を上にするように動物を地面に差し込みますと、農場個体に存在する見えない構造と同じ位置関係になります。
02-37
動物は大地に成育する植物を食べますが、たとえばその大地が必要とするものと動物が糞尿として与えてくれるものとの関係を、こうした動物形態から見つけ出すことができます。 たとえばある植物内で発揮される宇宙的作用は、地中から上方に導かれることを、みなさんは知っていなくてはなりません。 ある植物がこうした宇宙的作用を特に豊かに持っているとします。 またある動物は、そうした飼料の基盤となる糞尿をその生体から供給します。 この動物がこの植物を食べますと、この植物の生育に特に適した大地を作り出すような糞尿を供給してくれるのです。
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事物の形態的に見抜きますと、自己完結的な個体である農場に必要となるすべての事柄がわかるのです。 そのためには、動物を勘定に入れておかなくてはなりません。

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