2015年6月9日火曜日

『農業講座』質疑応答3、コーベルヴィッツ、1924年6月14日

■qa03-Q01

線虫類への対処法は他の昆虫類に対しても有効でしょうか。 あらゆる種類の害虫に使えるでしょうか。 こうした方法で広い面積の動物や植物の生命を簡単に絶滅させることは許されるのでしょうか。 大きな災いがやって来るかもしれません。 一人の人間が全世界を破壊しないように、何らかの制限が必要ではないでしょうか。

■qa03-A01

シュタイナー博士 …… こうした害虫駆除の方法が許されるかというご質問に対しては、次のように答えられます。 ……ここで私は最初から倫理、神秘的倫理の問題に入ろうとは思いません。 ですので、こうした行為が許されるか否かだけを問題にしようと思います。 すると私がくり返し指摘してきたことに、再度踏み込むことになります。 つまり、文明化された地域での農業はますます悪化せざるをえず、そこここで地域的な飢餓や物価上昇が起きるだけではなく、全般的に悪化していくでしょう。 これは遠い未来にやって来る事柄ではないでしょうから、私たちには、地球上から文明を破滅させるか、あるいは物事を新たな実りをもたらしうるように作りかえる努力をするかの二択しかありません。 そうした必然性を考えるなら、こうした事柄が許されるか否かという議論をしている余地はありません。 また、別の観点からもこの問いを立てることができます。 これらの事柄が悪用されるのを防止する安全弁が、現実に考えられなくてはならないという点です。 こうした事柄が一般に知られるようになれば、当然ながら悪用されるはずではないでしょうか。 明らかにそうなります。 しかし太古の昔の地球上では、こうした事柄が広く知られ、広範に適用されていながらも、悪用されないように誠実な人間の範囲内に留めることが可能であった時代がありました。 この諸力が一般に作用していたがゆえに、こうした事柄がよりひどく悪用されていた時代もありました。 さらに酷い悪用がアトランティス後期のある時代になされ、それによって凄まじい破局へと導かれました。 一般論としては、こうした事柄についての知識は小さなサークル内に留め、一般には知らせないというのは、正当なしきたりと言えるでしょう。 しかし私たちの時代では、それはもはやほとんど不可能です。 この時代にあっては、知を小さなサークル内に留めることはできません。 小さなサークルは、何らかの方法でただちにこの知識をサークル外に広めようと努力します。 印刷術が生まれる前は、秘密保持は容易でした。 ほとんど誰も字が書けない時代でしたら、それも容易でした。 今日では、ごく少人数のサークルでの講演でも、逐一、速記者を置くかが問われます。 私は好んで速記者を置いたことは一度もありません。 無理にでも速記者を好きにならなくてはなりません。 速記者は居ない方がよいのです。 もちろん速記をする人のことを言っているので、速記者個人ではありません。
しかし皆さん、人間生活全体を倫理的に改善していくというもう一つの必然性も考え合わせる必要もあるのではないでしょうか。 人間生活全体の倫理的改善こそが、不正に対する万能薬になるだろうからです。 確かに現代のさまざまな出来事を見ますと、悲観的にもなるでしょう。 こうした生活における倫理的改善との関連で言えば、すべてが単なる観察に留まっていてはならず、意志の衝動に満たされた考えにまで到達しなければならず、人間存在全般の倫理的改善に向けて何か行動を起こすというところまで考えなくてはなりません。 これについてもアントロポゾフィーが起点になります。 予想される悪徳に対する一種の治療薬となりうるサークルが形成されることにアントロポゾフィーはまったく異を唱えることはないからです。 自然界においても、善きものが害を及ぼすことがありえます。 考えてみてください、月の力がもし地下に働かなかったら、地上でも作用しません。 しかし月の力は存在しなくてはならず、作用を及ぼさなくてはなりません。 ある分野では非常に促進的に作用し不可欠であるものが、他の分野では害になるのです。 ある領域で倫理的なものが、別の領域では完全に非倫理的であるのです。 地球領域におけるアーリマン的なものは、それが地球領域に留まっているから害になるのです。 少し上の領域であれば、アーリマン的なものはまったく善き働きをします。
さて一つの質問に関してはその通りで、線虫類に対する処置は、昆虫界全般で通用します。 特徴として脊髄ではなく腹髄を持つ下等動物すべてについて、この処置が適用できます。 脊髄を持つ動物の場合には、皮を剥がなくてはなりません。 腹髄を持つ動物に対しては、動物体全体を焼く必要があります。

■qa03-Q02

野生のカミツレのことを言っているのでしょうか。

■qa03-A02

シュタイナー博士 …… このように葉を下に向けたカミツレです(図参照)。


花弁も上向きではなく下向きです。 道端に野生している「カモミラ・オフィキナリス(Chamomilla officinalis)」です。

■qa03-Q03

イラクサでは、花も使うのでしょうか。

■qa03-A03

シュタイナー博士 …… イラクサでは、葉も一緒に使えます。花が咲いていなら、根を除いた全草を使います。

■qa03-Q04

農場に生えるローマカミツレも用いることはできるでしょうか。

■qa03-A04

シュタイナー博士 …… このローマカミツレは、ここで見られる栽培カミツレより真のカミツレに近い類縁です。 栽培カミツレは使えません。 しかしカミツレ茶に使うものは、この栽培カミツレよりも真のカミツレの近縁です。 それは使えます。

■qa03-Q05

当地の線路脇に生えているカミツレは本物でしょうか。

■qa03-A05

シュタイナー博士 …… あれは本物です。

■qa03-Q06

雑草駆除について述べられたことは、カナダ藻といった水中の雑草にも有効でしょうか。

■qa03-A06

シュタイナー博士 …… 沼地や水中から生えるものや水草の雑草すべてに適用できます。 もちろん、先ほどの胡椒を岸辺に撒けばよいのです。

■qa03-Q07

キャベツの根癌病といった地中の有害生物などに対しても、地上のものと同様の駆除法を適用できるでしょうか。

■qa03-A07

シュタイナー博士 …… 間違いなくできます。

■qa03-Q08

植物病への対処法はブドウ木にも応用できるでしょうか。

■qa03-A08

シュタイナー博士 …… このことはまだ実験されておらず、私も実験していませんし、オカルト的立場からも多くのことが為されたわけではありませんが、私の確信を述べておきます。ブドウの場合も、私が述べたやり方をすれば木を守れるはずです。

■qa03-Q09

(うどんこ病、べと病といった)葉の落ちる病気ではどうでしょうか。

■qa03-A09

シュタイナー博士 …… この場合も、黒穂病に対する処置と同じやり方で対処できます。

■qa03-Q10

アントロポゾーフである私たちがワイン作りを振興してもよいのでしょうか。

■qa03-A10

シュタイナー博士 …… 現在のアントロポゾフィーは多くの事柄についてそれが何であるかを述べるだけのためにあります。 それがどうあるべきかという問いに答えるのは、まだ多くの分野で困難です。 私には、広大なワイン農園を持つアントロポゾーフの友人が居ました。 彼はワイン農園からの収益のほとんどではありませんでしたが、かなり多くの金額を、禁酒運動のための葉書を全世界に郵送するために使っていました。 また別な友人は厳格な禁酒主義者で、死ぬまでアントロポゾフィーを援助してくれていました。 ところが彼は、路面電車に「シュテルンベルガー・カビネット」といった酒の銘柄の広告を出す人間に属していました。 ここで現実問題に特有のことが始まります。 今日、すべてを貫徹することはできません。 それゆえ私は次のように言いました。 雌牛の角は雌牛から取って地中に埋めます。 しかし雄牛のようにあらゆるものに突きかかるために、私たちが雄牛の角を頭に乗せますと、その角は状況によってはアントロポゾフィーに大きな災いをもたらすかもしれません。

■qa03-Q11

シカの膀胱の代用になるものはないでしょうか。

■qa03-A11

シュタイナー博士 …… シカの膀胱を手に入れるのは確かに困難かもしれません。 しかし世界中で、何の困難も伴わないことなどあるでしょうか。 もちろんシカの膀胱を何かで代用できるかを試すことはできます。 しかし私は今、それが何かを言うことができません。 どこかに、ひょっとしたらオーストラリアの狭い領域にある動物の類が居る可能性はあります。 それはありえます。 しかしヨーロッパに生息する動物の中では、シカ以外の動物は考えられません。 シカの膀胱以外にはまったく何も思い浮びません。 すぐに代用物に跳び付くのは、お勧めできません。

■qa03-Q12

昆虫類の駆除の場合、どの昆虫でも星位は同じでなければならないでしょうか。

■qa03-A12

シュタイナー博士 …… これは、試してみなくてはなりません。 水瓶座から蟹座までの一連の星座が問題であると述べました。 こうした星位の範囲内で、さまざまな下等動物に応じた星位のヴァリエーションには意味があります。 これは試してみなくてはなりません。

■qa03-Q13

野ネズミの駆除で言われているのは、天文学でいう金星でしょうか。

■qa03-A13

シュタイナー博士 …… そのとおりです。宵の明星と呼ばれる星です。

■qa03-Q14

金星が蠍座にある星位とは、どういう意味でしょうか。

■qa03-A14

シュタイナー博士 …… 金星が蠍座にある星位とは、金星が空に見えていて、その背後に星座の蠍座が見えるあらゆる星位の場合です。 宵の明星では、金星は太陽の東寄りに位置するはずです。

■qa03-Q15

ジャガイモの茎葉部分を燃やすと、ジャガイモの成長に影響があるでしょうか。

■qa03-A15

シュタイナー博士 …… その影響は僅かで、まったく問題にする必要はありません。 何らかの有機体でその一部の残りを処理しますと、常にある程度の影響はありますし、それは単に個々の植物に対してではなく、圃場全体に影響します。 しかしそれは、非常に僅かで、実際問題としては無視できます。

■qa03-Q16

牛の腸間膜とはどういう意味でしょうか。

■qa03-A16

シュタイナー博士 …… 腹膜のことです。 腸間膜とは、私の理解では腹膜です。

■qa03-Q17

それは臓物料理に使われるものと同じですか。

■qa03-A17

シュタイナー博士 …… 同じではありません、腹膜です。

■qa03-Q18

灰はどうやって圃場に撒くのがよいでしょうか。

■qa03-A18

シュタイナー博士 …… 何かに胡椒を振りかけるようにすればよいでしょう。 この胡椒の効果は非常に広範囲ですから、圃場を歩きながら撒けばそれで十分です。

■qa03-Q19

プレパラートは果樹にも同じ様に有効ですか。

■qa03-A19

シュタイナー博士 …… 一般的に、ここで述べたことはすべて果樹にも有効です。 考慮すべき幾つかの点については、明日、話すつもりです。

■qa03-Q20

農場では、畑作野菜に家畜の糞の施肥がよく行なわれています。 プレパラートで処置した肥料は問題なく穀類にも使えますでしょうか。それとも、何か特別な扱いが必要でしょうか。

■qa03-A20

シュタイナー博士 …… すでに行なわれている慣習は、とりあえずそのまま続けることができます。 問題は、それに私が述べたことを加える点です。 私が触れなかったその他の慣習についてはこう言えます。すべてを即座に悪いものとして、すべてを改革する必要はありません。 正しいと実証されていることは、問題なくそのまま続けることができます。ただ、ここで紹介されたことを付け加えるだけでよいと私は思います。 ただ注意を促したいのは、ここで紹介したことをヒツジやブタの糞を多く含む肥料で行なうと、作用が非常に大きく変化する点です。 ヒツジやブタの糞を過剰使用を避けたときに見られる効果が、それほど顕著には現われないでしょう。

■qa03-Q21

無機肥料を使うとどうなるのでしょうか。

■qa03-A21

シュタイナー博士 …… 無機肥料は時の流れにつれて、全面的に使用をやめるべきであるとだけ言えます。 いかなる無機肥料も、それを施肥された作物の栄養価が失なわれる結果になるからです。 これは完全なる一般法則です。 私が述べたことをそのまま実行すれば、施肥は3年に1回以上必要ありません。 おそらく4年から6年毎に施肥するだけで十分でしょう。 人工肥料はまったく不要になるでしょう。 ここで述べられたことが実践されれば、人工肥料は費用の面から見ても、使われなくなるでしょう。 人工肥料とは、必要とされず、世の中から消えていくものなのです。 現代ではすべてが非常に性急に判断されます。 養蜂について議論された機会に、女王バチを買う人が非常に多いので、女王バチ飼育を個々の養蜂園で行なうのではなく、産業的に生産する方がよいと強調する養蜂家がいました。 そこで私は次のように言わざるをえませんでした。確かにその通りで、あなたの言っていることは正しい。 しかし30から40年、遅くとも40から50年後には、それをきっかけに養蜂業そのものが衰退に向かったことに気づくでしょう。 こうした事柄を考慮しなくてはなりません。 今日ではすべてが機械化され無機化されていきますが、無機的なものも自然界の中での働きに応じた仕方で作用すべきであると言えるのです。 何らかのものの作用を受けていない無機的なもの、まったく命を持たない無機的鉱物的なものを生命ある大地に施すべきではありません。 明日にはまだですが、明後日にはこうした事柄が自ずと明らかになるでしょう。

■qa03-Q22

昆虫はどのように捕まえたらよいでしょうか。 幼虫段階でも使えるでしょうか。

■qa03-A22

シュタイナー博士 …… 幼虫でも翅の生えた成虫でも、どちらでも使えます。 星位がいくらか変化するかもしれません。 幼虫に変えた場合、水瓶座から蟹座の方向に少しシフトするかもしれません。 成虫では星位がいくぶん水瓶座よりになるでしょう。
























































































0 件のコメント:

コメントを投稿