2016年2月2日火曜日

マメ科についてのゲーテ自然科学的考察、『農業講座』第3講、第42段落

花の構造





ノコさんのHPより許可をいただいて転載
以下のページにより詳しい説明があります。
http://www.geocities.jp/noko_pla/mame.html


花は茎の先端に付くのではなく、葉の脇芽の部分に付くことが多い。 
マメ科の花では、花びらが袋状になっていて、雄しべ雌しべは外からは見えない。
花の基部にある旗弁は開く傾向を示すにもかかわらず、さらに先へ行くと翼弁と船弁で花が閉じている。この閉じた状態は、一旦頂上に登り、そこから引き返して八合目に居る状態と言える。
蛇足:したがって、自家受粉が多い。メンデルは自家受粉で純系が多いことを利点に、エンドウをつかって遺伝の実験を行った。 

藤の花




藤の花では、房状の集合花の軸が下に向かい、個々の花は横向きに咲く。つぼみの状態では軸がまだ下に向いていない(重さの方向に定位していない)。

種子の様子


カキの種では子葉(双葉)をわずかに伸ばした幼植物が見られる(白色)。その周りの大部分は胚乳である。

マメ科の種子では胚乳は見られず、子葉が大きく肥大し、そこに発芽のための養分を蓄えている。
したがって、マメ科では種子内で一歩先まで成長している。 

葉の巻きひげ

カラスノエンドウでは、葉の先が巻きひげ状になっていて、これで支えとなるものに掴まる。 
  

■シュタイナーのマメ科についての指摘、03-42

シュタイナーはマメ科について次のように語っている。
  1. 結実傾向:他の植物では上方に偏っているが、マメ科では葉の領域にある。
  2. 花が咲く前に稔ろうとする。その理由は、他の植物では窒素質が大地から離れたところで展開するのに対し、マメ科では地面に近い側に保たれているからである。
  3. 葉は通常よりいくらか緑色が暗い傾向。
  4. 果実部分が退化。
  5. 種子の発芽能力が短命。
  6. 植物界の夏的なものではなく、冬的なものを手本に組織されている。したがって常に冬を待つ性質、自分が展開するものを伴って冬を待とうとしていると言える。
  7. 必要としているもの(空気中の窒素)が十分に見つかると、成長がゆっくりになる。これを独自のやり方で下方に導くことができる。

1.について

もぎ取る前の枝豆を思い出せばわかるとおり、実は植物の先端にではなく、葉の脇芽の位置につく。

2.について

花の形態を見ると、外界に向かって開くのではなく、内に向かって閉じている。これは種子形成において見られる方向性である。

4.について

種子内はほとんどが子葉であり、本来の意味での果実部分は退化している。

5.マメ科の発芽率が低いことは経験的に知られている。

3.7.については不明 


蜜について


大衆的ハチミツの元になる植物として代表的なものに、クローバーとアカシアがあり、このどちらもがマメ科である。これらがハチミツになることが多い理由は明確ではない。植物量自体が多いのか、花の数が多いのか、花に蜜が多いのか特定はできない。それでも総量としての花蜜が多いことは確かである。
さて、植物器官で多くのエネルギー(カロリー)が蓄積される場は種子である。しかし、クローバーでは種子よりも花蜜により多くのカロリーが送られているように思われる。つまり、本来、もっと先(果実や種子)に送られるべきカロリーが、花領域に先取りされている。
これも「咲くよりも先に稔ろうとする」傾向と見ることができる。

マメ科の《地》領域に戻る傾向

藤の花

藤の花も同様な《地》への回忌を示す。開花に伴って「重さ」の方向に定位することにそれが現われている。
花の軸の出始めでは上を向いているものも多く、結果的に下向きに「戻って」くるものの、一旦は多くの花に見られる傾向、つまり上に向かう(光に向かう)成長を示し、そこから戻ってきている。ここでも「一旦、頂上に達してからの八合目」というしぐさが見られる。

カラスノエンドウの巻きひげ

カラスノエンドウの巻きひげは複葉の先の部分が変形している。アサガオでは茎から分かれたところから巻きひげに特化していることと比べると、特徴的である。
さて、葉は本来、《風》や《光》の要素と結びつきが強い。ところが、カラスノエンドウではその葉が先端で「支え」となり「重さ」つまり《地》との関連を持つ。一旦、《風》や《光》に向かったものが《地》に戻っている。これも「一旦頂上に達してからの八合目」と見ることができる。

地に潜る実

花が咲き、実が育ち始めると《地》への回帰を見せる植物もある。落花生である。実が自重で下に向かうものは多くあるが、成長運動として地中に潜るものは珍しい。これも「一旦、頂上に達してからの八合目」のしぐさである。

マメ科に特有のしぐさとして、「頂上から八合目に戻る」という表現をしてきた。これは、地水風火の上の方にある《風》を引き下げるしぐさにもつながる。つまり、《風》の代表的元素である窒素を地中に持ち込む点とつながる。

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